ラミネート包材は、表面基材、中間材、シーラントフィルムが持っている、それぞれの機能を組合せ、貼り合わせることによって全体で所定の性能を発揮できるように設計します。層構成を増やすと、安全安心や使い勝手は向上する反面、地球環境やコスト面で不利となることは判っていましたが、有効な解決方法がないとあきらめていました。
現在のラミネート包材は、フィルムメーカーとラミネートメーカーが理想を追求し、試行錯誤を重ねて進化させてきました。言ってみれば分業と組合せ技術の集大成です。長い年月をかけて築き上げたこのスタンスを見直すのはなかなか困難な事でした。
複雑に入り組んだ機能構造を合理化するためには、基本設計をシンプルに見直し全体最適を図るしかありません。この目的を達成するためにどうしても必要なのは、分業の壁を破ることです。しかし専業メーカーの生産設備や応用技術は高度化しており、それらのノウハウを一元化して再構築するには莫大なエネルギーを投入しなければなりません。
タマポリには半世紀に亘るポリオレフィンシーラントの開発、製造技術の蓄積があります。その発展過程において複数原料のブレンドや共押出多層化に取り組んでまいりました。さらに高機能化を進めるため、ポリオレフィン層と非オレフィン層を積層したフィルム製造が可能な7層共押出し製膜機を導入いたしました。従来は表面基材や中間材の機能であったバリア性や強度を、シーラント機能と統合することによって生まれた画期的な新製品が”マルチトロン ハイブリッドシーラント”です。懸案の多層ラミネート品の層構成削減がこれで可能になりました。
”マルチトロン ハイブリッドシーラント”を使用することにより、部材フィルムとラミネート工程の削減が可能となり、包材構成設計の合理化と地球環境への配慮が実現しました。
食品メーカー
構成 | PET(表面基材)/印刷 /DL/ONy(中間材) /DL/PE(シーラント) |
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必要機能 | PET:寸法安定性 ONy:強度 PE:シール強度 DL:ラミ強度 |
製造 メーカー |
PET(A社製) ONy(B社製) PE(C社製) DL(D社製) |
マルチトロン
PET / 印刷 / DL / マルチトロン